こんにちは!ふたご座のプー(@futagoza_pooh)です。
令和になり、キャッシュレス化の流れもますます加速していますね。
今回はそんな流れを象徴するようなキャッシュレスオンリーで現金お断り!というレストランが東京日本橋の馬喰町にあるということで、潜入レポートをお届けしたいと思います。
電子マネーやQR決済を導入しましたというお店は多いですが、完全にキャッシュレスのみというお店は珍しいかと思います。管理人もわくわくしながらランチで利用させて頂きました。
さっそくその実態に迫っていきましょう!
Contents
完全キャッシュレス化したロイヤルホストに潜入調査!
東京馬喰町にあるGATHERING TABLE PANTRY(ギャザリングテーブルパントリー)
今回潜入した完全キャッシュレス化のお店は東京都日本橋馬喰町にある「GATHERING TABLE PANTRY」というレストランです。こちら、実はあの有名なロイヤルホストが展開する最新鋭のレストランで、実験店として様々な最新テクノロジーが導入されています。
例えば、各テーブルにはiPadが置かれておりそこからお客様がセルフオーダーを行う方式となっています。お客様がiPadで行なったオーダーは従業員が持つiPhoneやApple Watchに通知され、速やかに調理・提供されるしくみになっています。
とても効率的なオペレーションになっていますね!Apple WatchにはSlackというコミュニケーションアプリがインストールされており、これで注文や会計の通知等ができるようになっているようです。
ちなみに、店内の雰囲気はこんな感じです。お客様が店員を呼ぶ必要がなく注文・提供もスムーズなため、とても落ち着いた雰囲気になっています。
私もついついマッタリしてしまいました。お客様がくつろげるという意味でもこの落ち着いた店内は素晴らしいですね!
現金お断り!の未来型店舗
さて、GATHERING TABLE PANTRYの最大の特徴はキャッシュレス決済オンリーであるという点です。
店頭には「キャッシュレスチャレンジ」という看板が掲載されており現金支払いができないことがかかれています。また、入店時には店員の方から会計はキャッシュレス決済のみである旨が確認されます。
しばらく店頭で店の様子を眺めていましたが、レストラン利用者の方々は現金お断りについてはさほど気にしていないようでした。むしろ面白がっている方がちらほら。
日本橋馬喰町という土地柄もありますが、たいていの人はクレジットカードや電子マネーなど現金以外の決済手段を1つ以上は持ち合わせていることが分かりました。
電子マネーなど計28種類のキャッシュレス決済に対応
GATHERING TABLE PANTRYでは現在なんと28種類ものキャッシュレス決済に対応しています。具体的には、上の決済ブランドが利用できます。
VISAやMasterCardなどのクレジットカードはもちろん、SUICAやnanacoといった電子マネーやLINE PayのようなQR決済にまで幅広く対応しています。私も様々なキャッシュレス決済導入店舗を見てきましたが、ここまで豊富な種類に対応している店舗は他にないと思います。
最近だと2019年4月1日にAmazon Payの利用が可能になるなど、決済ブランドは現在も次々に追加されています。2019年はキャッシュレス戦国時代と言われていますから、今年もメルペイや7Payなど新決済の導入に期待したいですね。
実際に決済してみた
今回はランチで利用させて頂きました。
美味しそうだったので煮込みハンバークランチを頼んでみました。
ジューシーではっふはふな煮込みハンバーグがたまらなく美味でございました!
マッシュポテトと半熟卵も煮込みソースにからんでとろけます。
うん、さすがロイヤルホストの系列店、料理も最高でございます。サラダ・パンとコーヒーもセットで付いてくるのでボリューム的にも大満足です。これでお値段は900円なり。
さて、このままだと食レポになってしまうので決済の様子もご紹介します(笑)
食べ終わったら、テーブル備え付けのiPadから会計に進みます。
オーダー履歴とトータル金額が表示されます。
確認したら「Check」をタップして進みます。
すると下の画面になり、「セルフ決済(QR決済)」か「店員を呼び出す(QR以外の決済)」を選択します。
今回はLINE Payで決済しようと思います。
右側の「セルフ決済」をタップして進みます。
左上のLINE Payのところをタップすると、QR読み込み画面になり決済ができます。
決済完了画面になり、これでもう店を出ても大丈夫です。なんとスムーズ。
気づいたのですが、完全キャッシュレス化×セルフ注文にすると入店から退店までを全てお客様のみで完結することができます。これがとても新鮮な感覚で便利に感じました。
お店を経営される立場の方には、現金お断りまでいかなくてもこういったキャッシュレス化を選択肢として入れることで新しいお店体験をお客様に提供できるのでおすすめしたいと思いました!
キャッシュレス化のメリット考察
会計・決済が自動化できる
GATHERING TABLE PANTRYに潜入してみて感じたキャッシュレス化のメリット、まず1つは会計・決済の自動化ができるという点があげられます。
これによりお店のオペレーション効率がUPし、結果的にお客様回転数UP・売上UPへと繋がっていきます。
特に、タブレットによるセルフオーダーとQR決済の導入は入店から退店までを全てお客様自身で完結できるしくみとなります。この店舗運営の自動化により、ゆくゆくは人件費削減も見込むことができるでしょう。
また、波及効果として人材の確保がしやすくなるといった効果も期待できます。実際にGATHERING TABLE PANTRYでは先日3名の採用枠に対して22名もの応募があったと言います。
この理由として「バタバタと仕事に追われず、なごやかに楽しく働ける」といったものが多いようでした。昨今の働き方改革の世相も反映しているような気がします。実際に自分が働くことを想像すると、確かに業務ストレスが少ない方が嬉しいですよね。
締め処理が効率化される
キャッシュレス化をすると締め処理の効率化を図ることができます。現金の扱いが減る分レジ締めの時短に繋がるわけです。もし完全キャッシュレス化となればレジ締めそのものがほとんどなくなります。
実際にGATHERING TABLE PANTRYでは、従来40分かかっていたレジ締めを約5分で終了させることに成功しています。
また以前は、店舗の責任者は欠勤などが出た場合に、締め処理のためだけにお店に出勤するといったことも起こりえました。しかし、完全キャッシュレス化をするとレジ締めの必要がなくなるのでわざわざ出勤せずに済みます。さらに、エアペイ
以下は、GATHERING TABLE PANTRYと他ロイヤルホストグループ店舗の店長業務時間割合を比べたものです。
これをみると、管理・事務の時間が他店舗の19.0%に比べ、完全キャッシュレス化にした店舗では5.6%と大幅に削減されていることが分かります。
このように、キャッシュレス化による締め処理の効率化は様々な好循環を生み出しており、大きなメリットと言えます。
店内が落ち着いた雰囲気になる
キャッシュレス化による思わぬ恩恵として、店内が落ち着いた雰囲気になることがあると感じました。
なぜなら、お客様が会計のために店員を呼ぶ声や会計のやり取りの音、これにより慌ただしく移動する店員の動きが店内からなくなるためです。
実際にGATHERING TABLE PANTRYはお昼や夜の繁忙時間帯でもうるさすぎず、お客様が会話をゆったりと楽しむ様子が印象的でした。
ゆっくり落ち着いて話せてくつろげる空間は「また来たい」と思わせる効果があります。リピーターや常連のユーザーも付きやすいのではないかと思いました。
キャッシュレス化のデメリット考察
スマホ決済は充電切れ時への対応が必要
キャッシュレス決済の中にはスマホを使って決済するものも多くあります。例えば、Apple PayやQR決済などがそうです。この時、気をつけなければならないのがスマホの充電切れ時への対応です。
スマホを使った決済の場合、当然ですがスマホ充電が残っていないと決済できません。これはお店というよりお客様の方で気をつけて頂くべきポイントではありますが、念のためお店にiPhone・Android携帯の充電器を用意しておくと良いでしょう。
ただ、完全にキャッシュレス化するわけではないのなら、現金での決済でも対応できるのであまり大きな問題にはならないかと思います。
なお、2019年10月からは政府主導でキャッシュレス決済時5%ポイント還元制度が導入されます。今後、こちらの制度を利用したいお客様が増えることは間違いないのであらかじめ上記のような準備をしておきましょう。
この制度については『消費税増税対策|キャッシュレス決済時の5%ポイント還元制度とは』にまとめていますので、これから詳しく知りたいという方はご参考下さい。
停電や通信障害に弱い
キャッシュレス化で気をつけたいポイントの1つに、停電や通信障害に弱いということがあげられます。
キャッシュレス決済は専用の端末を利用することになります。この端末は充電して使うものになりますので、長い停電などの場合は充電切れを起こす可能性があります。
対策として、予備電源としてモバイルバッテリーを用意しておくことがおすすめです。以下のようなものを1つ持っておくだけで緊急時にも対応することができます。
また、滅多に起こりませんが大手通信キャリアの通信障害などが起こると、キャッシュレス決済の通信が行えず決済ができません。
こちらは対策として、通信キャリアではなく光回線によって店内の通信環境をつくる方法がおすすめです。この方法なら安定した通信環境を実現でき、店内にお客様向けのWi-Fiをとばすことも可能です。光回線の導入については『【超まとめ】お店にWi-Fiを導入しよう|おすすめ光回線 決定版』にまとめています。合わせてチェックしてみて下さい。
決済手数料がかかる
キャッシュレス化をすると、クレジットカードや電子マネーを提供する会社に決済手数料を支払う必要があります。これは、決済ブランドや利用するキャッシュレス決済提供サービスにより異なりますが、現状どれも約3%程度の手数料となっています。
これを多いとみるか少ないとみるかですが、これはキャッシュレス化をいかに経営効率化に活かすかにかかっています。
例えば、「キャッシュレス化により集客数が10%アップした」「従業員の仕事を削減でき人件費を5%減らせた」等の効率化を図れたのであれば決済手数料は良い投資とみなせます。
そして昨今、政府は2025年までの日本のキャッシュレス決済比率40%を目標に掲げ、決済事業者に対して決済手数料の引き下げを要求しています。このような流れから今後は決済手数料の引き下げも期待され、事業者にとってはキャッシュレス化の良いチャンスになるかもしれません。
まとめ
今回は、東京馬喰町にある完全キャッシュレス化のレストラン、GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリングテーブルパントリー)にお邪魔しました。
いかがでしたか?なかなか振り切ったコンセプトで面白いお店だったかと思います。
私は完全キャッシュレス化のレストランは初めての体験でしたが、そのスマートな食事体験に感動いたしました!何よりご飯が美味しい^^
これもキャッシュレス化が生んだ時間やお金をお料理に投資できるからかもしれません。
今回はキャッシュレス化という観点に絞ってレポートいたしましたが、こちらのお店は他にもセルフオーダー導入や、iPad, Apple Watch, SlackなどのITツール活用など見習いたいポイントがいくつもありました。
色々参考になると思いますので、お近くの方はぜひ足を運んでみて下さい!